この記事は虎の穴ラボ Advent Calendar 2024の13日目の記事です。 こんにちは、虎の穴ラボエンジニアの原です。
今回は、「具体と抽象」という本を読んだので、書評を書こうと思います。 イラストも多く、とても「わかりやすく」具体と抽象がわかったので、お勧めしようと思います!
この記事の目的
誰に
「具体的に言って?」や「抽象的にまとめると?」と言われて困ったことがある人
なんと言って欲しいか
「抽象的」と「具体的」の関係と構造が理解できた!
本の概要
この本は、全20章を通して「具体と抽象とはなんなのか?」から「具体と抽象をどう使って学ぶのか?」、最後に「抽象を使う時の注意点」という流れで、「具体と抽象」をどう使っていくのが良いのかを説明しています。
| タイトル | 具体と抽象 |
|---|---|
| 著者 | 細谷 功 |
| 発行年月 | 2014年11月 |
| ページ数 | 144 |
なぜおすすめなのか?
私は、「具体的に言って?」や「抽象的にまとめると?」と言われることが苦手でした。 抽象的や具体的というものが、どのような立ち位置で、どんな関係を抽象化したものか、分かっていなかったためです。
この本を読むことで、次を知ることができました。
- 具体と抽象の関係
- 具体と抽象を使って学びを広げるコツ
- 抽象の世界を見えた時に注意するべき点
- コミュニケーションがうまくいかない理由
特に「抽象化は人間特有の能力であり、人間はこの知性を持っていたから、さまざまなことをまとめ、記録することで、他の動物とは異なる発展ができた」という意見がとても印象的でした。
書籍のまとめ
具体と抽象とはなんなのか?
具体と抽象はピラミッド構造になっています。 具体は「五感で感じたことをそのまま写実的にしたもの」であり、抽象は「複数の具体から、共通の特徴を抜き出したもの」です。
具体と抽象は、ピラミッドの中できっぱり上下で分かれているものではなく、言葉で具体的に写実しても、そもそも言葉が抽象的なものであるように、ピラミッドの中でグラデーションのようになってます。そのため、ある着眼点では具体的な一方で、別の着眼点では抽象的になることも多々あります。
本の後編でも詳しく述べられている内容として、ピラミッドによってコミュニケーションで発生する問題が説明されます。具体的には、このピラミッドの見えているレベルの差によって、コミュニケーションが難しくなります。これは、見えている具体の幅や抽象の高さが違うことによって発生します。
具体と抽象を使ってどう学ぶのか?
「学び」と「考える」とは「具体と抽象を行き来すること」です。 具体的に五感で感じた複数のことを、まとめて法則化や経験則化する「具体→抽象」の方向と、学んだ法則から、具体的な事象で役立てる「抽象→具体」を繰り返すことで、学びや考えが深まります。 例えば、「夕焼けが綺麗なときは次の日は晴れ」という経験則は、過去の人の具体的な経験、「◯月◯日の夕焼けが綺麗だった。そして次の日は晴れだった。」ということが多数あったためにできたとすれば、これは「具体→抽象」の方向になります。一方で、綺麗な夕焼けを見た時に「明日は晴れに違いない。」と考えるのは「抽象→具体」の方向、すなわち応用となります。 人間は、この「学び」と「考える」を無数に繰り返すことで発展してきました。
抽象を使う時の注意点
こんな便利な抽象化の能力ですが、危険性もあります。 それは、「ピラミッドはマジックミラーである」ということです。つまり、抽象の領域が見えている人は、その下部の具体も理解できますが、具体の領域しか見えてない人は、その上部である抽象の領域を理解できません。 そのため、認識可能な領域の差によってコミュニケーションのズレが発生します。
ここからは、本に書いてない私の考えです。 認識可能な領域の差が出るのは仕方ないと思います。 なぜなら、皆互いの育ってきた環境やバックグラウンドが違うためです。 そのため、このような衝突や葛藤が発生するのは仕方なく、良いコミュニケーションのためにはお互いがこのピラミッドの中で歩み寄るしかありません。 この時に自分と相手を共に尊重したコミュニケーションである「アサーティブコミュニケーション」も重要になってくると思いました。 (アサーティブコミュニケーションについては別途記事を書こうと思います。)
まとめ
「具体的とは?抽象的とは?学ぶ、考えるとはなんなのか?」を知りたく、この本を読みました。 結果として、知りたい内容だけでなく、人間の特性からその意味を理解できました。
また、ピラミッド構造は考える技術・書く技術でも紹介されています。 この本を読んで、ピラミッド構造に対する人間の特性に基づく裏打ちができたことも良かったです。
今回読んだ内容をこれから使っていこうと思います。
ぜひ皆さんも読んでみてください!
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