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KPI分解は、『KDI』まで分解しよう! - 「鬼速PDCA」書評

こんばんは。とらラボディレクター兼マーケターのいわみーです。

とらラボは自社プロダクト開発のエンジニアリング企業ですが、自社プロダクトを抱えているディレクター、マーケターに取って切っても切り離せないのがプロダクトの採算 ≒ 利益 じゃないでしょうか。

この利益は、KPIツリーの中でも最重要のKGIに置かれることがほとんどで、ここから売上向上の為のキャンペーン、宣伝、コスト削減などあらゆる施策が伸びていくことになります。

ですが、現場で仕事をしていると、なかなかKGIから伸びるKPIツリーに落とし込みが出来ないことも多いはずです。 (例:セキュリティ対策など)

そういった中で、私が参考にしているのは、「KPI」ならぬ「KDI(Key Do Indicator)」で、そちらについてわかりやすく説明しているのが今回紹介する「鬼速PDCA」の第4章 実行初級編 です。

鬼速PDCA

PDCAについての入門的な本意外とわかっているようでわかっていないPDCA、KGI、KPI分析について実践的に書かれた本です。 PDCAは社会人なら耳にタコがつくほど聞いたと思います。 本書はPDCAをより高い精度で行うためのフレームワークをわかりやすく解説した書籍になります。

ディレクター、マーケターはもちろん、エンジニアやデザイナーの皆様にもおすすめ出来る一冊です。

基本情報

タイトル 鬼速PDCA
著者 冨田 和成
発行日 2016/10/24(紙版)
発行 クロスメディア・パブリッシング
ISBN 9784844377498
紹介ページ 鬼速PDCA(クロスメディア・パブリッシング)

KDIの概念

本書では、KPIをDOに分解する、という手順を推奨しています。 例えば、CtoC ECプラットフォームの売上を上げる、というKPIがあった時に考えられる下位のKPIは「一店舗あたりの売上」と「出店数」でしょう。(出店数×一店舗の売上が合計売上になるため)

この「出店数」というKPIを達成するために、解決策としては「営業メールを送って開設してもらう」「開設に誘導するLPへのアクセスを増やす」などが挙げられます。 ※ 厳密に言えばもっと細かくKPIを分解できますが、ここでは簡素化のため割愛します。

この「営業メールを送って開設してもらう」といった、定量的に測定しづらい行動を定数化したものがKDIになります。 この場合で言えば、「メール送信候補の調査件数」「実際にメールを送信した数」がKDIになるでしょう。

定数化することによって、KPI(営業メール経由での開設数)が悪かった場合、DOが足りなかったのか(送ったメールの数が少なかった)、メールからの獲得が悪かったのかが切り分けが出来、次回以降の改善に活かすことが出来るでしょう。 前者ならメール送信先の取得や送信を補助するツールを作成する、後者ならメールの内容を見直す、などです。

このフレームワークは売上向上など以外にも利用が可能で、例えば、セキュリティで言えば、「サービスセキュリティを万全にする」というKGIの下に「決済のセキュリティ強化」「DDoS攻撃に対するセキュリティ強化」などの解決策を設定出来、これに対してのKDIとして「他サービスが実施しているセキュリティ施策の具体策を○件調べて、自社に導入できそうな対策をX件以上選定する」を設定できる、という形に応用できます。

「KDI」に落とし込めないケース

KDIに落とし超えないケースもいくつか想定ができます。一例を紹介します。

  • 計画が破綻しているケース : あるいはそもそも計画がなく、見切り発車で開始してしまったケース。

  • 分解が足りていないケース : すぐに着手出来るレベルのタスクまで分解出来ていないケース。 チームでやる場合、実際の作業者がKDIレベルまで落とし込めているか確認が必要です。

  • 仮説の精度が足りていない : 情報が足りておらず、仮説に根拠が感じられないため、「これ作っても本当に目的が達成できるのかわからない」というケース。情報を集められるところまで集めたら「とりあえず試してみて、あとから仮説を修正」とするしかないでしょう。あるいは、「情報の収集」や「トライアンドエラー」そのものをKDIにしてしまってもよいと思います。

まとめ

今回は、第4章のKDIに絞ってご紹介しましたが、他の項目も普段の開発やサービス運営に活かせる部分が多く、参考になる書籍だったと思います。

今後、機会があれば他の部分も取り上げていければと思います。

ちなみに余談ですが、今回の内容は隔週でとらラボで実施している「ディレクター・マーケター勉強会」で私が発表した内容をベースにしています。 とらラボでは、エンジニアだけでなく、ディレクター・マーケターもこうした情報交換、スキルアップを重要視しています。 今後、他のメンバーも勉強会の内容をブログで公開していこうと思っていますので、更新をチェックいただければ幸いです。

P.S.

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