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『ここはウォーターフォール市、アジャイル町 』書評

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ここはウォーターフォール市、アジャイル町

こんにちは、大場です。 スクラムマスターの役割を任されてから、約2ヶ月が経ちました。

最近では1スプリントのベロシティを変更してみたり、KPT以外の振り返り手法を試したりと相変わらず試行錯誤しています。

さて、今回は社内の技術書補助制度を利用して購入した、『ここはウォーターフォール市、アジャイル町 』の紹介です。

ちなみに『職場の問題地図』を執筆した沢渡あまねさんと、 『カイゼン・ジャーニー』を執筆した新井剛さんのタッグが生み出した本です。

『カイゼン・ジャーニー』については、過去ブログで紹介しております。 toranoana-lab.hatenablog.com

書籍情報

  • タイトル:ここはウォーターフォール市、アジャイル町 ストーリーで学ぶアジャイルな組織のつくり方
  • 発行:2020/10/14
  • 著者:沢渡あまね、新井剛
  • イラスト:石野人衣 www.shoeisha.co.jp

どんな内容?

ストーリー形式でアジャイルについて学ぶ事が出来る本です。

ストーリーの内容としては、ウォーターフォールが主流の現場に、アジャイルを小さな単位で取り入れ、 周りを巻き込みながら問題解決や改善に向かっていくというものになります。

ただのフィクションではなく、著者の沢渡あまねさんと新井剛さんが実際の現場で体験したことや見聞きした事を元に、ストーリーが構成されており、人間関係や部署間の隔たり具合などはかなりリアルに描かれています。

また、本書はストーリーに加え、アジャイルに関する解説も豊富に記載されています。その解説内容は、エンジニア以外の人も理解できるレベルで記述されており、より広い読書層を想定して執筆されているように感じました。

アジャイルの入門書は様々出版されておりますが、本書とその他の書籍との主な違いは、 ウォーターフォールとアジャイルの融合をテーマとしている点と、読者層をエンジニアに限定していない点だと思います。

ストーリー調+解説で広い読者層にわかりやすく書かれていることから、世に出回っているアジャイル本の中の立ち位置としては、初心者向けに分類されると思います。

こんな方にオススメ!

  • ウォーターフォールの現場で働いているが、アジャイルを取り入れてみたい。
  • 開発部門と関わりがあり、問題解決のためにアジャイルを取り入れてみたい。 本書は作中に登場する舞台と同様のウォーターフォールの現場で働いていて、 アジャイルを取り入れることで、いままでのやり方に変化を起こしたいという方にとって参考になると思います。

また、開発現場で直接の働いている以外の方でも、開発部門と関わりがあり、運用の声がなかなか届かないといった不満がある方なんかは、本書を読んでみてはいかがでしょうか。運用側から開発側に向けて改善提案できるアイディアを必ず発見できると思います。

もちろん開発側から進んでアジャイルを取り入れていく姿勢があれば理想的ですが、 運用側から開発側にアジャイルを取り入れて欲しいと声を上げることで、変化を起こす事も可能だと思います。

印象に残った箇所

特に印象的だったのは、第8章での開発部門と運用部門での衝突のシーンでした。

開発部門は短い納期の中で開発を終わらせるが、運用部門にとっては使いにくいものが出来上がる。

運用側である主人公は、開発部門の納期通りに終わった人が評価されるという制度にも問題があることを理解しながらも、 開発したエンジニアへ直接抗議に向かって行くが、エンジニアは「これがベストの仕様」と言って取り合わない。

という、エンジニアはリリースしたらおしまいで運用を相手にしないという、いかにもよくありそうなシーンです。

作者の実体験がストーリーの約9割を構成しているという事もあって、評価制度の部分もさることながら、 運用と開発の部署関係が悪いと運用がうまく回らないという事を上手くストーリー化出来ており、現場の生々しさが伝わってきました。

この話は当然、リリースしたらおしまいというエンジニアの姿勢もいただけないですが、 なにより運用側からの意見を待ってるだけで、自分たちからは意見を吸い上げに行かない姿勢が良くないです。

とらラボの場合は、運用面への影響を評価基準に含めることで、環境面からこのような『つくり逃げ』が起こらないようになっています。

短納期になると、運用側とのコミュニケーションを省いて開発に時間を割きたいという気持ちが湧いてくることもありますが、 ここを省くとリリース後のしわ寄せが運用側に行ってしまい辛い思いをさせてしまうという事を再認識しました。

いつも顧客からの問い合わせを1次受けしてくれるカスタマー部門には、感謝しかありません。

取り入れたいこと

KPTのやり方の解説の中に「1つか2つのアクションプランに絞る事が得策」という記述があり、 いつものやり方を見直す発見がありました。

投票数の高いTryはもったいないからといって全部採用していたため、 KPTを1回するごとにチケットがだいたい4,5個以上増えるようなやり方をしていました。

前回のTryのチケットすら片付いてないのに、新しいチケットが次々に生まれるという、 チケット増えすぎ問題に陥っていたので、次回のKPTでこれを取り入れてみようと思ってます。

感想

全く内容とは関係ないのですが、電子書籍ではなくソフトカバーの方を購入しておけば良かったと後悔しています・・・ なぜなら、棚に並べたいレベルでブックデザインが素敵だからです。私と同じく表紙のエモさに惹かれたのであれば、ぜひソフトカバー版をおすすめします。

さて、内容についてですが、ストーリーは普通におもしろいです。ただ、真新しい学びという部分は既にアジャイルに触れている人にとっては少ないかもしれません。 本書が対象読者をエンジニアに限定していないせいもあるかと思いますが、アジャイルに触れた事がある人であれば知ってる内容が多いです。 ツールの導入や使い方についても具体的に解説されていますが、とりわけBacklogとSlackに関して、使い慣れているエンジニアにとっては日常的な内容だなと感じる部分もありました。

しかし、アジャイルすでに実践をしている人間でも、この本を読む行為自体が振り返りにもなるので、 自分達のやり方を思い出しながら比較し読み進めることは有意義だと思いました。なにより、本書を読んで改善点がみつかったのは儲けものです。

本書を通して、どちらかのやり方に一方的に拘るのではなく、お互いの良いところはそのまま残し共存できる道を探す事が、アジャイルの本質だということを学ぶことができます。 組織に小さな変化を起こすきっかけを探しているあなたに、この本はおすすめです。

P.S.

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