こんにちは、虎の穴ラボのH.Kです。
2024/12/13(金) 19:00~開催された「サブカル業界Developers 勉強会Vol.8」での登壇内容、『前向きに仕様を調整する「準備」』を文章でも整理します。
実施の詳細は次のブログをご覧ください。
こちらが当日の資料です。 www.docswell.com
結論
結論から述べます。
エンジニアが仕様策定に積極的に関与し、より良いサービスを実現するために私が心がけていることは次の2点です。
- チーム内での関係構築と、技術的・UI/UX的な視点からの積極的な提案
- 心理的安全性の高い環境を自ら作り出し、サービスを良くしようとする意識の共有
仕様調整の事前準備:関係性構築
仕様を効果的に調整するため、日頃からの関係構築が重要です。 普段は「我関せず」の人が急に一生懸命考えたものに対して口出ししてきたら「何も知らないくせに」って思ってしまいますよね? そのため、私は日頃から自身の専門性やサービスへの熱意を伝え、信頼を築いていくことが重要だと考えています。
関係構築のために、私が実践していることは次の通りです。
- 普段からコミュニケーションを取る
- 単純接触効果を意識し、提案を受け入れてもらいやすい関係を築く
- 虎の穴ラボでは「雑談タイム」があるので、積極的に参加する
- チームのSlackもこまめに返事をする
- ミーティング前には、アイスブレイクとして雑談
- 自己開示を行なって話しやすい場や関係を作る
- 単純接触効果を意識し、提案を受け入れてもらいやすい関係を築く
- 自分を知ってもらう
- 得意なこと、不得意なことを率直に伝え、サービスに対する熱意を共有
- 「任せてもらう土壌」が作られ、仕様に関して意見や提案がしやすくなる
- ハロー効果の応用
- 特定分野で高い評価を受けている場合、他の分野であっても、実際よりも高く評価される
- 得意なこと、不得意なことを率直に伝え、サービスに対する熱意を共有
- 日頃から改善案を伝える。
- 小さな改善点でも、気づいた時に共有する
- 提案する姿勢を示すことで、仕様に関する議論に積極的に参加する意欲をアピール
これらの活動を通じて、心理的安全性の高い環境を構築し、自由に意見を交換できる雰囲気を作ることが、より良い仕様策定につながると考えています。
次の章から実際に仕様策定に関与するためのアクションを見ていきます。
仕様策定への積極的関与
関係構築を通じて、仕様策定に積極的に関与するための土壌ができたら、次は具体的な行動に移ります。
エンジニアは、技術的な実現可能性やUI/UXの観点から、仕様に対して積極的に意見を述べるべきだと、私は考えています。
- 技術的な視点からの提案
- 技術的に難しい点や、実現に無理がある場合は、代替案を提示
- セキュリティやパフォーマンスに関する懸念
- UI/UXの視点からの提案
- ユーザー目線を意識し、使いやすさや分かりやすさを追求
- 「驚き最小の原則」混乱しないような変更を提案
- 極力、一般的に使われるようなUIにすることで迷いをなくす
- ユーザー目線を意識し、使いやすさや分かりやすさを追求
- 仕様を決定した人も悪意があるわけではない
- ハンロンの剃刀:「見落とし」で説明できることに「悪意」を見出さない
- 良いサービスにしようとみんなが考えているはずなので、どんな提案も理解する
- HRTの原則:謙虚(Humility)/尊敬(Respect)/信頼(Trust)を示すコミュニケーションを心がける
- ナラティブ(立ち位置や視点)の違いを考慮
- 仕様を提案した人は高い売上目標が設定されているかもしれない
- ユーザーの多様性を見逃している可能性もある
- ハンロンの剃刀:「見落とし」で説明できることに「悪意」を見出さない
ナラティブというのは『他者と働く(著:宇田川 元一)』で紹介されている考え方です。直訳すると「物語」などとなりますが、ここでは「人々が自分自身や自分の人生を理解し、意味付けするための枠組み」を指し、認知フレームやメンタルモデルの背景にあるものです。
エンジニアが積極的に仕様に関わることで、仕様策定者とは違った立ち位置で仕様を再解釈することができ、よりWhy/Whatに則したHowを実現していくことにつながります。
そのため、私のチームの開発では荒い段階で仕様書を出してもらって、ディレクター、エンジニア、営業、デザイナーなど関係者全員で仕様を詰めていくことが多いです。
注意事項
仕様をより良くするための積極的な関与ですが、いくつか注意すべき点があります。
- 仕様を変更したことで「仕事をした気」にならないこと
- 仕様をひっくり返すこと自体が目的化しないように注意が必要
- あくまで案件の目的(例えば、クリエイターのためになる)に向かうための手段であることを忘れない
- 仕様をひっくり返すなら早く返すこと
- 手戻りが発生する可能性や、関係者への連絡が必要になる場合があるため、迅速に判断と行動をする
- 後知恵バイアスに注意
- 問題が発生した後に「ああすればよかった」と言うのではなく、事前に提案することが重要
注意事項を守らないとせっかくコミュニケーションで得た信用を失ってしまいます。どれだけ良い提案ができても、聞き入れてもらう環境が必要となります。
私自身、まだまだいろんなバイアスを受けて誤った判断をしてしまうことがありますが、信頼を得るための行動を続けていきたいです。
まとめ
エンジニアが仕様策定に積極的に関与することは、より良いサービス開発に繋がります。そのためには、
- 日頃からコミュニケーションを取り、関係性を構築する
- 会社で実施しているコミュニケーションには必ず参加する
- ミーティング前のアイスブレイクとして雑談をすることも有効
- 自由に意見できる環境を自ら作る
- HRTの原則を心がけ、心理的安全性の高い環境を目指す
- 多様な視点を持つ
- エンジニアとしての視点と利用者としての視点の両方を持ち、みんながサービスを良くしようとしていることを理解する
これらの要素を心がけることで、より良いサービス開発に貢献できるはずです。 私自身も、今後も多くの人とコミュニケーションを取り、相手の立ち場を考えて、ユーザーのためになるサービスを作っていきます。
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