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『世界一流エンジニアの思考法』実践ポイント5選

こんにちは、虎の穴ラボのA.M.です。 今回は書籍のご紹介です。

読んだきっかけ

直近のタスクで自身の生産性があまり良くなかったので、何か良い本がないか探していたところ、この本を見つけました。
試し読みをしてみたところ、以下のような内容があり、自分の課題に対して解決策が書かれているように感じたので、購入しました。

  • どうやったら不得意なことでも効率よく人並みのことができるのか
  • 「思考法」(マインドセット)が高い生産性を形づくっている
  • AI時代を生き延びる思考法

基本情報

タイトル 世界一流エンジニアの思考法
著作者名 牛尾 剛
ページ数 222ページ
発売日 2023/10/23
発行 文藝春秋
ISBN 978-4163917689
紹介ページ 『世界一流エンジニアの思考法』牛尾剛 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS

書籍の目次

  • 第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう?―生産性の高さの秘密
  • 第2章 アメリカで見つけたマインドセット―日本にいるときには気づかなかったこと
  • 第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術―ガチで才能のある同僚たちの極意
  • 第4章 コミュニケーションの極意―伝え方・聞き方・ディスカッション
  • 第5章 生産性を高めるチームビルディング―「サーバントリーダーシップ」「自己組織型チーム」へ
  • 第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術―「タイムボックス」制から身体づくりまで
  • 第7章 AI時代をどう生き残るか?―変化に即応する力と脱「批判文化」のすすめ

全体的な感想

「世界一流エンジニアの思考法」は、ただの技術書ではなく、一流のエンジニアがどのように思考し、行動しているのかを実際の業務を例に挙げながら解説している点がとても魅力的でした。
特に、アメリカと日本の文化の違いを踏まえた仕事の進め方や、生産性を高めるための具体的な方法が示されており、自身の考え方や行動を振り返りながら読むことで多くの気づきと学びを得ることができました。

実践したいこと5選

本書を読んで日々の業務や日常生活に取り入れて実践したいと感じたポイントを5つご紹介したいと思います。

① 手を動かす前に仮説を検証する

試行錯誤は「悪」である、と本書にもあるように、むやみに手を動かすのは生産性を下げる原因になります。 無目的な試行錯誤を避け、データや事実に基づいて仮説を立てる方法を取り入れることが重要です。
本書では以下のような手順を説明しています。

  1. まずは事実(データ)を一つ見つける
  2. その事実を元に仮説を立てる
  3. その仮説を証明するための行動を取る

実際に直近の業務で原因不明なエラーが出て調査することがあったのですが、この手法を念頭に置いて、出力されているログを元に仮説を立ててみたところ、早急に原因を特定することができました。

② 仕事の難易度別で考える

タスクを難易度に応じて分類し、自分の能力と時間管理を最適化することで、効率的に仕事を進めることができます。 本書で紹介されている難易度の分類は以下の通りです。

  • レベル4:自分では無理
  • レベル3:スパイクソリューション(課題を把握するためのちょっとしたプログラム)があれば何とかなる
  • レベル2:ググれば解決できる
  • レベル1:何もググらずに即実装できる

重要なのは、「今の自分では解けない」を見極めることです。
これを意識して、タスクの見積もりをしたり、難易度が高いタスクに取り組む際には、早めにエキスパートに相談するなど、適切な対応を取り入れていきたいと思います。

③ まずはエキスパートに頼る

本書には以下のように書かれています。

一つのことで2時間以上ブロックされたなら、質問するなり相談するなりして寝かせておいて、他の仕事をやっておくほうが断然生産性が高い。

直近の業務でも一人で長時間悩んでスケジュールが遅れるということがあったので、完全に同意できる内容です。
「② 仕事の難易度別で考える」で紹介した内容にも繋がるのですが、特に難易度が高いタスクに取り組む際には、早めにエキスパートに相談した方が、スムーズに解決できることが多いように思います。

④ 「情報量を減らす」大切さ

普段の業務の中で何か質問をする際に、できるだけ多くの情報を伝えようとして文量が多くなりがちですが、本書では「たくさん情報があっても消化できないだろう?」という指摘があり、その通りだと感じています。
また、文量が多いということは質問するのに時間をかけているということでもあり、その分だけ生産性が下がってしまうことにも繋がるように思います。
今後は何か質問をする際には、以下のようなポイントを意識して、情報量を減らすように心がけたいと思います。

  • まずは「このエラーメッセージが出てるけど、なんか知ってる?」ぐらいでOK。
  • 付加的な情報は聞かれたときでいい。

⑤ タイムボックス制で「学習時間」を確保する

「タイムボックス」制とは、時間の管理方法の一つで、一つの作業を終わるまで続けるのではなく、あらかじめ作業時間を決めておくという方法です。
本書では、著者が「5時になったらどんなに切りが悪くても仕事を強制終了し、必ず夜10時には寝る」ということを実践した結果、頭が冴えて生産性が上がったということが書かれています。
自身を振り返ってみると、定時になっても作業の切りが悪いときには終わるまで作業をしていたことがあり、結果として家族との夕食の時間が遅れたり、自分の時間(趣味や学習の時間)があまり取れなかったりしたので、これは良くなかったなと改めて思いました。

自己成長のためには、ある程度学習時間を確保することが重要だと感じています。
虎の穴ラボでは、業務時間内で自己研鑽の時間を取っても良いことになっていますが、直近は業務に追われてしまい、うまく時間が確保できていませんでした。そこで、タイムボックス制を導入し、あらかじめ一定の時間を確保して自己研鑽に充てたいと思います。
また、日常生活では娘がまだ1歳9ヶ月なのもあり、なかなか自分の時間が取れなかったのですが、定時に上がり、例えば娘を寝かし付けた後の30分〜1時間だけでも時間を確保するなど、工夫して取り入れていきたいと思います。

最後に

この本の内容は、業務だけでなく、日常生活にも応用できる内容が多く含まれているため、広く読んでいただきたい一冊です。本記事では紹介しきれていない内容も多くあります。
また、エンジニア以外の方にも、自己成長や生産性向上に興味がある方にもおすすめです。
読んでいるだけで、自分の仕事に対するアプローチが変わるような気がしますので、ぜひ一度手に取ってみてください。

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