こんにちは、虎の穴ラボのKanonです。
本記事は虎の穴ラボ2024年夏の連載ブログ 17日目の記事です。
今回私が担当するテーマは「学習」に関するものということで、自分が毎日続けている「今日の学びブログ」についてお話ししようかと思います。
今日の学びブログとは
私が個人的に毎日の学びを振り返るために投稿しているブログのことです。
それ専用のブログを作って、この記事を執筆している現在まで61日連続で投稿が続いています。
きっかけ
PHPカンファレンス小田原の懇親会でのそーだいさんのLTでした。
このLTを聴いて刺さるものがありました。というより、「これはまずいな」と思いました。
「今日の仕事をふりかえって、一つでも成長したか」と言われた時に、必ずしも「Yes」と言えないなと思ったからです。
これまで「じぶんリリースノート」という月報は出していました。
けれども日報までは書いていませんでした。一ヶ月で見れば少しは成長できたと実感はありましたが、「強い人は毎日成長を得ているのか。そりゃ強いわ」となりました。
なぜ日々の中で成長を実感できないのか?
新人の頃は全てが新鮮で、ただ手を動かして目の前の仕事をこなすだけで学びとなりました。一方で、能力も低いため仕事の期限に間に合わせることで一杯一杯でした。
今は「わかること」「できること」が増えてきたことによって、昔よりも余裕を持って仕事をこなせるようになりました。
しかし、ただ仕事をこなしていくだけで得られる知識は一通り取り尽くしたことに気づいていませんでした。
余裕を持って仕事をこなせるようになったにも関わらず、最初の頃と同じように仕事をしていても得られるものは変わりません。
弱いスライムを漫然と狩り続けていても、得られる経験値は低いままです。
「強いスライムを倒す」のか「自分に縛りをかけて弱いスライムを倒す」のか
そこでどうしようかと考えた時に思い浮かんだのは、「強いスライムを倒す」と「自分に縛りをかけて弱いスライムを倒す」の二択でした。
「強いスライムを倒す」には「強いスライム」とエンカウントする必要がありますが、自分がタスクコントロールをしていない以上、エンカウントは運任せです。
一方で「自分に縛りをかけて弱いスライムを倒す」であれば、セルフコントロールが可能です。
というわけで、こんな縛りをかけてみることにしました。
- 作業を進めていくうえで気になったものは、手を止めて納得がいくまで調べてみる
- ただし品質や納期はこれまで通り守り続ける
- 調べた時に行き着いた記事や思ったことはどこかに残しておく
- 残しておいた内容を毎日の終わりに日記形式でブログに必ず書く
- 書いたブログは人が見る場所に晒しておく
そうして生まれたのが、「今日の学びブログ」でした。
続けるコツ
1日ひとつ、技術に限らなくてもいい
自分がこの取り組みを始めたのはソフトウェアエンジニアリングをもっと上達したいと思ったからです。その目的を達成するためには、仕事を進めていくうえで技術的なことに疑問を持ち、疑問を解決することが一番効果が高いと思っています。
しかし、あまりそれに固執してしまうとしんどくなってしまうこともあるかと思います。毎日高いモチベーションを保ち続けられる人なんていないというのが持論です。
そんな時のことを考えると、あまり縛りをきつくしすぎると却って目標から遠のいてしまいます。
そもそもソフトウェアエンジニアである前に一人の社会人なわけですから、「定額減税とは何か?」であったり、果ては「結婚式にふさわしい服装」なんかでも学びになります。
こういったところにも視野を広げて「1日ひとつ」を意識すると、意外と学びの種はそこらじゅうに広がっているものです。
コードやインフラに疑問を持つ
自分が何気なく書いているコードやインフラの設定を、過去の経験から「こう」と手なりで書いていたりしませんか?
意外と細かくコードや設定を見ていくと「なんとなく」書いているものや、「普段当たり前に使ってるライブラリだけど裏側がどうなってるかよく知らない」ものに出会うことができます。
そこを学びのとっかかりにしていくと、新たな知見を得ることに繋がりやすいです。
「それをやり始めるといつまでも仕事が終わらない」と思われるかもしれませんが、やってみると自分の最初の疑問を解決するのにそこまで時間はかからないことに気づきました。
現場で使っているコードで、なおかつ自分が気になるレベルのものに関してであれば、どれだけ長く調べても1時間もあれば意外と新たな学びにつながります。
そして結局理解に時間をかけてからコードを書いた方が、結果的に未来にわたって生産性が上がることに繋がるので良いということに、この取り組みを始めてから気づきました。
学びの内容をXにメモがわりに投稿すること
もちろん業務のソースコードを載せたり、仕様については書けません。
しかし、読んだ記事やわかったことなどは思いついたタイミングでXに投稿しておくと良いかと思います。
そうすると、「あ、結構技術的な内容をポストしてるじゃん」と思っていただけますし、一日のまとめブログを書く際にはポストのリンクを貼るだけですむので、編集作業が楽ちんです。
ifやswitchなどを式として扱いたい場合に即時実行関数式 (IIFE)と便利なのか、なるほどhttps://t.co/cnJEzgJrSJ
— Kanon (@samurai_se) 2024年6月10日
ブログ投稿のお知らせをXに流し続けること
驚いたのは、意外とみなさんみてくれているということです。直近でも、PHPカンファレンス香川2024や技術書典などのオフラインイベントの場にて「毎日続けられていてすごい」という声をたくさん掛けていただけました。
Xのリプライではっきりと、あるいははてなスターで暗黙的に「見てるよ!」という反応をいただくことができます。ただ自分の学びを毎日書いてるだけのブログなのに、読者さんが増えていくのも興味深いです。
いずれにせよ目に見える形で反応をいただけるということは、それだけでモチベーションにつながります。
それと同時に「見ている人がいるなら続けよう」といういい感じのプレッシャーにもなります。
今日の学び(2024/06/12) - オレの敵はだいたい『俺』
— Kanon (@samurai_se) 2024年6月12日
- 自動テストは何の役に立つのか そして役に立たないのか
- You may not need XXX in Node.js
- Web Worker
- 例外ではなくneverthrowを使う
https://t.co/fWYXWs1WHz#はてなブログ
おわりに
やってみると、日々の仕事の中にもまだまだたくさん学びの種が転がっていることに気づきました。
開発環境がモダンであれレガシーであれ、わからないことは依然として存在し、それを突き詰めていくことはソフトウェアエンジニアリング能力の向上繋がると考えています。
また毎日ふりかえりを書いていくと自分を客観視することにも繋がります。数日の投稿の傾向から「疲れてるな」とか「テンション高く取り組んでるな」というのが見て取れる。なので、自分のご機嫌を取るのにも一役買ってくれています。
「隣の芝生が青く見えすぎる」という方や「最近新しい知識吸収できてないな〜」という方は、是非とも一度取り組んでみてはいかがでしょうか。
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