こんにちは、虎の穴ラボのK.Fです。虎の穴ラボでディレクターをしています。
虎の穴ラボでは、「ChatPlus」というチャットボットを導入しています。
本記事では、導入の背景やChatPlus導入までの流れをご紹介します。
チャットボット導入前の課題
問い合わせに関して、日々人員と時間を割いており、コスト削減が課題でした。
また、コスト面の課題もあり、24時間対応の体制を取るのは難しい状況でした。
チャットボット導入の背景
- 問い合わせ削減(自動回答+ヘルプ充実)
- 24時間問い合わせ対応できる環境構築
- 「分からない」が起因の離脱改善
なぜChatPlusにしたのか
冒頭の課題に記載した「コスト削減」の1つの解決策として、顧客対応ツールの見直しを先に行っていたため、そのツールとの連携が可能だったChatPlusに決めました。
<ChatPlus公式サイト>
チャットボットの種類
チャットボット選定にあたり、チャットボットの種類を理解する必要があります。
細かく分類すれば多岐に渡りますが、大まかに下記2種類存在します。
- 選択肢タイプ:決められたシナリオに沿って選択式で会話するタイプ
- AIタイプ:会話のログを蓄積、利用することで文脈に近い会話をするタイプ
※上記に加えて、有人対応と自動応答を組み合わせるパターンもあります。
それぞれメリットとデメリットがありますので、導入するサービス・割ける工数にあわせてどちらにするべきかを検討する必要があります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
選択肢タイプ | ・想定シナリオさえ作成できれば簡単に設定できる(設定コストを削減できる) ・的を射た適切な回答を提示しやすい |
・シナリオ以外の質問に答えられない ・顧客自身が何に迷っているか理解していない場合は使われづらい |
AIタイプ | ・複雑で広範囲な問い合わせに対応できる ・機械学習により自動的に回答精度が向上する |
・複雑な設計になるため、導入コストと運用コストが高くなる ・回答の精度が向上するまでは適切な回答ができず、直接対応の機会が増える |
ChatPlusでできること
デザインの設定
- 最低限の設定は、管理画面の選択項目から設定できるため簡単
- 独自CSSで整形することもできるため、比較的自由度高く設定可能
応答内容の設定
- 1件ずつ自動応答を追加するか、「ツリーエディタ」を使って視覚的に設定可能
- ただし、ツリーエディタは設定のエクスポートやインポートに対応していないため、汎用性や拡張性を考えると1件ずつ個別に設定することを推奨
スプレッドシートとの連携
- チャットボット内のテキストフォームに入力された情報をスプレッドシートに連携することが可能
- ご意見箱や簡易アンケートとしての活用も可能
レポート機能
PVやUUなど基礎的トラフィック情報に加え、下記のような項目を取得できます。
- 訪問チャット数(担当者別):「チャット数」のうち、訪問者からの発言を含むチャット数です。(選択肢ボタンのクリックも発言とします)
- 担当チャット数(担当者別):「チャット数」のうち、担当者からの発言を含むチャット数です。(自動応答は含みません)
- チャット数:チャットの総数です。(チャット開始~チャット終了を「1」カウントとします。初回メッセージ送信のみで終了したチャットもカウントされます)
- 訪問チャット数:「チャット数」のうち、訪問者からの発言を含むチャット数です
- 無人(BOT)対応数:「チャット数」のうち、無人(BOT)にて対応した数です。
- 有人対応希望数:「担当チャット数」と「あふれ数」を足した数です。あふれ数は任意に設定することができます。
- 有人対応希望率:「チャット数」のうち、担当者からの発言を含むチャット数です。(自動応答は含みません)
- 有人対応返答率:有人対応にてあふれた数です。(「担当チャット数」には含まれません)
- 達成率:「目標管理」で設定した目標を達成した回数です。
- 満足度:チャット後に「良かった」と評価された割合です。(回答がなかったチャットは計算には含まれません)
GoogleAnalytics連携
- GoogleAnalyticsへカスタムイベントを発火させることが可能
- ただしjson形式での記述必要なため、エンジニアなど知識ある方の協力が必要
その他機能紹介
その他にも様々な機能がありますので、是非公式サイトをご確認ください。 chatplus.jp
導入までの流れ
チャットボットを導入するのは初だったため、色々と手探りで導入を進めていました。
実際に導入してみて、最低限必要だと思った手順をご紹介します。
どのタイプのチャットボットを導入するのかで変わる部分もありますが、大枠は下記手順と同様に進められると思います。
1:問い合わせが多い項目、ページの集計
問い合わせ対応が増加していたものの、どのページでどんな問い合わせが多いのかまでは、詳しくは分析できていませんでした。
そこでページ×トラフィックデータの情報を抽出し、どの問い合わせから対処すべきかを検討しました。
チャットボットを出すページの選定ついて、気を付けたのは、問い合わせが多くてもコンバージョン要素があるようなページは初期段階では避けたことです。
顧客からすると突然馴染みのない画面が出てくるので、それが起因で離脱に繋がる可能性があると考えたからです。
問い合わせ削減の目的のためにコンバージョンを落としてしまっては本末転倒なので、かなり慎重に進めた部分です。
2:シナリオ(選択肢と回答)の用意
今回導入したサービスでは、よくある問い合わせと回答がある程度固定されていたため、シナリオタイプでチャットボットを作成しました。
シナリオタイプでは、回答にたどり着くまでの選択肢の分岐を予め用意する必要があります。
シナリオによって顧客の迷いを解決できるか否かが大きく変わるので、内容精査が大事です。
意識したことは、「選択肢を簡潔にすること」「選択肢を最低限に収めること」です。
3:デザインの設定
初期デザインでも問題なく使用できるレベルだと思いますが、配色をサービスのキーカラーにあわせたり、サイズの調整、チャットボットの出し方の調整を行いました。
特にPCとスマートフォンでのサイズの違いは意識して変更しています。
4:テスト環境での検証
前述のシナリオ、デザインを含めて実際に使用してみることで違和感や改善点が出てきたので、重要なフェーズです。
特にページ内の他要素の邪魔になっていないかは、デモサイトでは確認できない点ですので、念入りに確認することをオススメします。
また、誤って設定した内容を削除・変更してしまうこともあると思いますので、別アカウントにて設定すると、より安全です。
Chatplusでは設定のエクスポートとインポートに対応していますので、別アカウントでも同じ設定にすることができます。
5:本番環境への導入
テスト環境の内容を本番環境へ移行するのですが、念のため非公開ページなどを用意して、正しく動作するかを確認することをオススメします。
ChatPlusでは「管理IP設定」画面で、「特定のURLでのみ表示する」設定ができるので、これを利用して本番環境でもテストができます。
問題なければ、上記の制限を解除して、「1」で決めたページ全てに掲出します。
まとめ
選定から導入まで含めて大切だと思ったのは下記です。
- 他サービスとの連携も考えて選定する
- 工数を割けるならAI型での設定がオススメ
まだ導入して日が浅い状態ではあるものの、想像以上に使用されており、人が個別に対応する件数を低減できています。
シナリオの見直し、デザイン面の改善などまだまだやれることは多々あるので、離脱率などを見ながら掲出ページを拡大していく予定です。
管理側にとっても工数削減になるだけでなく、顧客にとっても迷った時点で解決策を探せるメリットが大きいので、導入を検討してみてください。
P.S.
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