こんにちは。虎の穴ラボのH.Kです。
今回はJava(JDK)のEarly-Access Buildsを実行する方法について、解説していきたいと思います。
記事を書くきっかけ
2020年3月にJava 14がリリースされ、9月にはJava 15がリリース予定です。
次々とversionが上がっていくJavaに追随していくため、リリースに先行して、Early Access版を試したいという思いが強くなっていきました。
ただ、Early Access版については、インストーラが用意されておらず、普段EclipseやIntelliJ IDEAなどIDEに頼っていると実行するのに悩むこともあるかと思います。
その障壁を越えるための記事になればいいなと思い、記事にしました。
実行環境など
- macOS Catalina
- Homebrew
- macOS用のパッケージマネージャーです。JDKのインストール以外にもたくさんのパッケージを管理できます。
- SDKMAN!
- 以前はGVM*1と呼ばれていたSDKのパッケージマネージャーです。Java関係のパッケージであれば網羅的に管理できます。
- Homebrew
- Windows 10
Windowsに関しては真心込めて、全て手動でダウンロードから設定まで実施します。(そんなに手順多くないですが。)
ダウンロードとか設定とか手で管理したくないという方はWSL(Windows Subsystem for Linux)*2や、Cygwinを導入することで、SDKMAN!
が使えるようになります。WSLやCygwin導入後、macOS版のSDKMAN!の記載を参考に実施してみてください。
macOSではHomebrew
とSDKMAN!
という2つのパッケージマネージャを使って実行環境を整えます。
試してみるJDKは以下のものになります。(2020年5月時点のEarly Access版)
- JDK 15 Early-Access Builds
最新のEarly accessについてはjava.netの記載を確認してください。
macOS
Homebrew
Homebrewを使った環境構築方法は以下のようになります。
Homebrewのインストール方法については多くの記事があるので、ここでは割愛します。
以下のコマンドでOpenJDKのEarly-Access版がインストールされます。
Early-Access版ではなく最新版のJDKが欲しい場合はjava-beta
をjava
にして実行してください。
$ brew cask install java-beta
あとはJAVA_HOMEを設定するだけ。
$ export JAVA_HOME=`/usr/libexec/java_home -v 15` $ export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH
なお、恒久的に使う場合は、~/.bash_profile
に書き込みを行います。
vi
などで直接編集するか、以下のコマンドを実行します。
$ echo "export JAVA_HOME='/usr/libexec/java_home -v 15'" >> .bash_profile $ echo 'export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH' >> .bash_profile
ちゃんと設定できているか確認します。
$ java -version
SDKMAN!
続いて、SDKMAN!を使った環境構築方法です。
まずはSDKMAN!をインストールします。
$ curl -s "https://get.sdkman.io" | bash $ source "$HOME/.sdkman/bin/sdkman-init.sh"
欲しいJDKのバージョンを確認します。
$ sdk list java
今回はJDK15のEarly-Access版が欲しいので以下のJDKが対象となります。
Vendor | Use | Version | Dist | Status | Identifier |
---|---|---|---|---|---|
Java.net | 15.ea.22 | open | 15.ea.22-open |
あとはIdentifier
を使ってインストールするだけです。
Early-Access版ではなく最新版が欲しい場合は15.ea.22-open
なしで実行してください。
$ sdk install java 15.ea.22-open
最後にパスの設定を行います。
$ export JAVA_HOME=$HOME/.sdkman/candidates/java/current $ export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH
なお、恒久的に使う場合は、~/.bash_profile
に書き込みを行います。
vi
などで直接編集するか、以下のコマンドを実行します。
$ echo 'export JAVA_HOME=$HOME/.sdkman/candidates/java/current' >> .bash_profile $ echo 'export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH' >> .bash_profile
ちゃんと設定できているか確認します。
$ java -version
Windows
JDK 15 Early-Access Buildsにアクセスし、バイナリファイルをダウンロードします。
Windows用のファイルを選択します。
ダウンロードしたらzipファイルを適当なパスに展開します。
今回は深く考えず、Dドライブ直下に展開しています。
展開が完了したらパスを通します。
Dドライブ直下に展開した場合、以下のように設定します。
(Pathは追記する形になると思います。)
JAVA_HOME:D:\jdk-15
Path:D:\jdk-15\bin
ちゃんと設定できているか確認します。
$ java -version
おまけ:Java 15を試す
せっかく環境を作ったのですから新機能を試したいですよね? 手軽に試せるJava 15からの機能にText Blocksがあります。*3
Text Blocksの詳細はこちらをご覧ください。 openjdk.java.net
これをjshellから実行して動作確認してみます。
(記事のサンプルはWindowsで実行しています。)
Text Blocksは改行必須であり、jshellで対話形式で実行するとエラーになるので、以下のコードを書いたファイル(今回はDドライブ直下にtest.txt
という形式で作成)を用意し、ファイルから実行します。
String html = """ <html> <body> <p>Hello, world</p> </body> </html> """; System.out.println(html); /ex
/ex
はjshellを抜けるコマンドです。(/exit
の略)
今回はこのテキストを実行したあと、jshellを開いたままにせずに閉じるために入れています。
これをjshellで実行します。
$ jshell "D:\test.txt"
実行結果はこんな感じになります。
元の文字列と比較するとスペースがいい感じにトリムされているのが見て取れますね。
まとめ
どの方法であっても、そこまで多くのステップをかけずに最新のJDKを試せます。
特にパッケージマネージャを使ったやり方ですと、様々なバージョンのJDKを切り替えることができ、
実際の開発と実験的な試用とで使い分けてみたり、ちょっとだけ最新バージョンを試してみたりとJavaライフの幅が広がると思います。
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