虎の穴開発室ブログ

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エンジニアが色彩検定3級の勉強をしてみた

こんにちは、虎の穴ラボ エンジニアのMです。

デザインの知識を身につけたいと思い、色彩検定3級の公式テキスト (https://www.aft.or.jp/pages/official-product-orders) を今回勉強してみました。

https://www.aft.or.jp/images/ph_oT_cover03.png

なぜエンジニアが色彩検定?

デザインは基本的にはデザインチームにお願いするものの、エンジニアでもUIを作成したり仮組みのデザイン案を出すことも多いです。 エンジニアでも最低限は作れるようになるためデザインの勉強をしようと思ったことがきっかけです。

「デザインができる」という判断が難しいため、明示的に資格として取得することができる色彩検定の勉強を今回始めることにしました。

色彩検定とは

文部科学省後援の公的資格です。色彩検定では色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)、専門分野における利用などを幅広く学習できます。

引用 : 色彩検定とは | 色彩検定協会/カラーコーディネーター

色彩検定の級の種類

学べる内容
UC級 特定の色の組み合わせが判別しにくい人の色覚の多様性に配慮した
誰もが見やすい色使いの知識
3級 色彩検定の入口となる級
「色」の表し方などの基礎知識、色の心理的効果、
配色(色の組み合わせ)を考えるときに便利な色彩体系である「PCCS」についての知識
2級 実務に応用できるレベルの色彩調和についての級
ファッションやインテリア、景観色彩など各分野でのカラーコーディネートの基礎
1級 色彩実務担当者として色彩設計に携わることができるレベルの

今回は、色彩の基本が学べる3級について勉強をしたいと思います。

例題

公式サイトの例題をいくつか引用します。

1問目

①明度を高くする
②色相を寒色系にする
③色相を中性色系にする
④彩度を高くする

正解は①になります。
明度とは明るさの事で、明度が高いほど白に近づきます。低ければ黒に近づきます。
柔らかい印象にするには、明度を高くして白色に近づける事が効果的です。

実用例として、ベビー用品などが挙げられます。明度が高くすることで、柔らかい印象を与えています。

2問目

正解は ③ の赤色です。直感的にわかりやすいかと思います。
色にはそれぞれイメージが存在するため、不用意に赤い色を使ってしまうと、見た人に情熱的な意味合いがあると解釈されるかもしれません。不用意な取り扱いには注意したいです。

実用例として、企業のロゴなどが挙げられます。ロゴの色は企業イメージと直結します。

引用 : https://www.aft.or.jp/pages/feature/exam3

色が持つ意味や、与える印象などを学ぶ事でWebサイト作りや発表資料の作成など様々なところで活用できることがわかります。

学べる色彩知識

■色のはたらき

色を統一する事でまとまった印象を与えたり、色を変える事で区別できるといった色が与える効果について学びます。

鉄道などの路線図も色による区別で複雑な路線がわかりやすくなっています。
東京で鮮やかな緑色の電車といえば、山手線だとわかるのも色の区別による効果です。

■光と色

色はなぜ見えるのかといった、光と色の関係性について学びます。

色が見える仕組みにまで踏み込むため、眼の作りなども出題されます。
様々な色がどのように作られ、我々が感じ取ることができるのかがわかります。

■色の表示

色を分類したり、数字で表す際に必要となる考え方について学びます。
主に学べる内容としては以下

  • 有彩色と無彩色の違い
  • PCCS(Practical Color Co-ordinate System)
  • 色の表示方法

色を表現するための基礎的な知識が身に付きます。
例えば、鮮やかな赤色を表現する場合

  • トーン記号: v2(ビビッドトーンの色相記号2番目)
  • 三属性表記 : 2:R-4.5-9s(色相記号2番目:レッド - 明度は4.5 - 彩度は一番高い9s)

などの表現方法が理解できるようになります。
色を構成している属性がわかることで、その色がどういった印象を与えるのかが理解できるようになります。

■色彩心理

色が与える心理的な効果について学びます。

一番身近な例だと、暖色と寒色が挙げられます。赤色は暖かい、青色は冷たく感じるといった心理的な印象です。 その他にも、大きく感じる膨張色や軽く感じる色などがあります。

色の組み合わせによって感じる効果もあり、見やすく感じる色の組み合わせや色が同化しているように見える色の配置などがあります。

例として、みかんのネットの赤色などが挙げられます。赤色のネットとオレンジ色のみかんを同化させてより鮮やかに見せるためといった効果があります。

■色相調和

配色の基本的な考え方について学びます。
色単体でどのような効果があるかの知識がついた状態なので、色の組み合わせによる配色の技法を理解できるようになります。

例えば、同一トーンで統一する事でそのトーンが持つテーマを伝えやすくしたりできます。配色がバラバラだと、イメージが伝わらない上に悪目立ちしたり目が痛い配色となってしまいます。

■ファッション・インテリア

ファッションコーディネートやインテリアについて学びます。
今まで学んだ配色知識の総合知識が必要となるので、ファッション等に興味がなかったとしてもとても勉強になります。


例えば、多色でトーンもバラバラにコーディネートしたファッションは配色のイメージが伝わらず、まとまらない印象を受けます。


茶色の色相で統一する事で、茶色の色相イメージの落ち着いた、大人っぽいというイメージを伝えることができたりします。

これはそのままWebサイト制作やスライド作成に活かせる知識だと思います。

■慣用色名

最後に、慣用色名を学びます。
色の名前や、名前の由来を覚えることで色が伝える意味をより深く理解できるようになります。


例えば、マゼンタはフランスで発見された合成染料であり、イタリアの統一戦争で同盟軍がマゼンタという戦場で勝利をおさめたため、記念してマゼンタという名前がついています。

公式テキストに載っている範囲でも64個の慣用色名が記載されており、ひたすら暗記するしかないので個人的には一番難しい章でした。
桜色など、直接的にイメージできるものがある場合はそのものが由来であるパターンが多く
それ以外の場合は歴史から名前がついているパターンが多いです。

最後まで勉強してみて

なんとなく違和感を感じる配色にしてしまったりする事が今まで多々あったのですが、原因が理解できるようになったため修正できたり伝えたいイメージを元に配色を決定できるようになりました。
改めてデザインの基礎知識というのは様々なところで役立つと強く実感しました。

デザインの勉強というのは中々に難しいですが、その一つの方法として色彩検定はとても魅力的な選択だと思います。

2023年6月25日に、夏期検定が行われるため合格を目標に現在も勉強しています。
2023年5月18日まで申し込みが可能です。是非一緒に試験に申し込んで頑張りましょう!

P.S.

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