この記事は、虎の穴ラボ Advent Calendar 2020の24日目の記事です。
昨日はPony言語についてY.Fさんの記事が投稿されました。
toranoana-lab.hatenablog.com
また、最終日となる明日は、虎の穴ラボCTO野田によるブログ記事が投稿されますので、ぜひこちらもご覧ください。
こんにちは。虎の穴ラボのY.Mです。
普段は通販サイトの開発におけるマネージメントを行なっています。
いよいよアドベントカレンダーも残すところ二日となりました。
クリスマスイヴ、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私はというと、リモートワークで完全に引きこもりながら1人でお酒を飲んでいると思われます(この記事は予約投稿です)。
家では1人寂しい私ですが、普段は仲間たちと共に通販サイトの開発を行なっています。
今回はそんな開発チームの話を書こうと思います。
書こうと思ったワケ
技術的な記事は、他メンバーによって非常に充実した記事がたくさんあります。
ただやはり開発文化に関する記事が少ないため、「虎の穴ラボって名前は聞くけど、どんな組織なのかイマイチわからない」と思われがちなのではないでしょうか。
そのため、虎の穴ラボのことをもっと知ってもらいたいと思い、今回のブログ記事を書くことにしました。
- 虎の穴ラボが普段どんな風に開発をしているか
- マネージャーがどんなことを考えてチームビルディングをしているか
興味のある方はぜひ読んでいただければ幸いです。
これまでの通販開発チームのメンバー数とチーム構成
通販開発チームは、立ち上げからメンバー数が増え続け、だんだんと大所帯になってきています。
立ち上げ当初は1チーム4人から始まりましたが、メンバーが増えるに連れてチーム分割をしてきました。
時期 | 人数 | チーム構成 |
---|---|---|
2018/4 | 4人 | 1チーム |
2018/9 | 6人 | 1チーム |
2019/4 | 9人 | 2チーム |
2019/9 | 10人 | 2チーム |
2020/12 | 12人 | 3チーム |
今回の記事では
- チーム分割
- チームにおける開発手法
- メンバーとの1on1
について書いていきます。
チームの分割 人数編
チーム人数は何人くらいがもっともアウトプットを最大化できるか、これは4人〜6人としました。
参考にしたものとしては以下があります。
AmazonCEO ジェフ・ベゾス氏「2枚のピザ理論」
チームがもっとも効率よく動く人数は、2枚のピザで賄える人数までである、とする理論です。
厳密なサイズなどはさておき、8人程度までと捉えられます。
ロビン・ダンバー氏 ダンバー数
ダンバー数とは、「個人が社会活動をしていくにあたって、安定して関係性を維持できる人数」を示したものです。
関係性の度合いによって人数は大きくなっていきますが、その中の一番新密度の高いレイヤー(助け合える親密な友人)は3~5人とされています。
虎の穴ラボ社 Y.M氏
突然ですが私はオタクです。特に二次元アイドルが大好きで、友人たちとお酒を飲みながら語らったりします。
友人たちとお酒を飲みながら全員が楽しめる人数が、2人〜6人と考えています。
それ以上だと、推し被りのカプ違い、カプ被りの解釈違い、など、一触即発な人が多くいたりする危険が伴います(冗談です。楽しくお酒を飲めます)。
他はある程度経験則が混じってしまうところもありますが、チームメンバーが協力し合いながらもっとも効果を発揮できるのは、6人程度までだと考えています。
そのため、虎の穴ラボの通販開発チームでは、6人を超える場合はチームを分割するようにしています。
チームの分割 単位編
では次に、どのようにチームを分けているかについて書きます。 大事にしているのは「チームがなんのために動くか」をわかるようにする、という点です。
まずはアンチパターン
ものすごく端折りますが、システムってこんな感じにできているかと思います。
パッと思いつくのは、
- 職能ごとに分ける(フロントチーム、バックチーム、DBチーム...など)
- 機能ごとに分ける(認証チーム、商品表示チーム、カートチーム、決済チーム...など)
などがあります。
ただし、このようにチーム分けをするのは避けました。
避けた理由としては、サービスを作っていく上での目的意識がチーム内になくなってしまうからです。
- 例 : フロントエンドチーム → 案件内容はさておき、フロントエンドを作る
- 例 : 決済チーム → 案件内容はさておき、決済機能を作る
このように、機能や職能で分割してしまうと、開発プロダクトの目的がメンバーに浸透しません。結果として
- プラスの提案が出なくなる
- 言われたままに作るだけになり、モチベーション低下を招く
などが発生すると考えました。
チームの分け方 対応する案件の目的で分ける
少しわかりづらい言い方ですが、「案件の目的」で分けることとしました。
サービスの改善を続けていくにあたり、開発する案件には目的があります。
- 新機能による売上向上:虎の穴としてサークルやユーザに提供する新機能を開発する
- コスト削減:通販運営チームや流通チームの業務フロー最適化などを行い、コストを削減する
- Webマーケティング視点での改善:アクセス分析結果などから、ユーザ体験を向上させてCVRを改善する。またSEOの改善を行う
この単位でチームを分割することにより、
- 自分たちが何を目的としているかが全員わかる
- 目的・目標の達成のために、自分たちが何をしたら良いか提案が生まれる
- 自分たちの成果を数値として見やすいため、モチベーション向上につながる
などのメリットを受けられます。
チームにおける開発手法
続きまして開発手法です。
通販開発チームでは、昨年からスクラム開発を導入しました。
まだまだ荒く不完全な部分はありますが、2週間スプリントで開発を行なっています(チームによっては1週間スプリントの場合もあり)
POINT1 「スクラム開発」を目標にしない
スクラム開発を導入すると決めた理由は、以下のものがあります
- 常に開発に追われていて、疲弊していた
- KPTはたまに実施するものの、改善タスクが消化されない状態だった
- 自己研鑽(後述します)がほぼ行えない状態にあった
ひっくるめていうと、「開発にリズムがなかった」と言う状態です。
これを改善することを目的にしました。
ただし、スクラム開発はあくまで手法であり手段です。
形式だけ乗っ取っても意味がないため、上記の3つの課題がしっかりと改善されているかを都度チェックしています。
POINT2 自己研鑽を大事にする
虎の穴ラボでは、最新技術の習得など自己研鑽を奨励しています(当たり前ですが)。
業務のうち1割程度はそういった自己研鑽の時間にすることとしていましたが、開発にリズムがなかった時期はこれが行えない状態になっていました。
そのため、スプリントの中にこの自己研鑽の時間を設定し、1スプリントで8h程度の自己研鑽の時間を確保できるようにしています。
この成果として、今読んでいただいているブログの記事などが多く書かれるようになっています。
メンバーとの1on1
虎の穴ラボでは、CTOまたはマネージャーによるメンバーとの1on1ミーティングを定期的に行なっています。
1on1を実施する目的としては、
- 本人の理想と現実のギャップ解消
- キャリアプラン相談
- モチベーションの確認
など、メンバーの心理的安全性を高めることにあります。
1on1のアジェンダ
1on1のアジェンダは、少し端折りますが以下のようなものです。
これは事前にメンバーへ伝えておき、内容をあらかじめ考えておいてもらいます。
- 困っていることの確認
- 最近の業務で成果と感じられたこと
- 今後やってみたいと考えていること
- 自分たちや周りの改善案
- その他相談事項
ポイントとしては、「最近の業務で成果と感じられたこと」を確認することです。
困っていることを聞いても「ありません」と応えるメンバーは多いかと思います。
しかし、「成果を感じられていない」という状態は、潜在的な困っているポイントを持っている状態です。
もし成果を感じられていないメンバーがいた場合、「なぜ成果を感じられない状態か」「どういったことなら成果を感じられるか」などを一緒に考えていくことを大切にしています。
1on1の実施ペース
虎の穴ラボのメンバーは皆中途入社のメンバーです。
加入した時期に応じて、以下のようなペースで1on1を実施しています。
時期 | ペース |
---|---|
入社後1ヶ月 | 毎日15分 |
入社後3ヶ月 | 毎週30分 |
以降 | 毎月30分 |
入社直後がもっとも「困ること」「入社後のギャップ」が起こるタイミングです。
ここを適切にフォローしていきます。
まとめ
今回は3つの観点から、虎の穴ラボのチームビルディングについて書かせていただきました。 重要なポイントとしては、以下となります。
- 目的を見失わないチーム分けをする
- 自分たちの課題を見つけて、開発手法を改善していく
- メンバーの心理的安全性に配慮し、モチベーションを維持していく
こんなことを考えながらマネージメントをしているんだな、というのが、少しでも伝われば幸いです。
採用情報
【新年LT初め】オタクが最新技術を追うLTイベント#20【オンライン】
2021/1/6(水) 19:30から新年初となるLT会を開催します。ぜひ参加ください! yumenosora.connpass.com
その他採用情報
虎の穴ラボでの開発に少しでも興味を持っていただけた方は、採用説明会やカジュアル面談という場でもっと深くお話しすることもできます。ぜひお気軽に申し込みいただければ幸いです。 カジュアル面談では虎の穴ラボのエンジニアが、開発プロセスの内容であったり、「今期何見ました?」といったオタクトークから業務の話まで何でもお応えします。 カジュアル面談や採用情報はこちらをご確認ください。 yumenosora.co.jp
虎の穴ラボは組織が急成長していることもあり、チームビルディングをいかに行なっていくかが課題になっています。
ともに良いチームを作り上げていける仲間(特にマネージメント方面!)をまだまだ募集していますので、興味がある方はぜひ採用サイトの方を見ていただければと思います。